羽場こうじ店の麹は、大正の創業時から湧いている井戸水をつかって丁寧にお米を洗い、秋田杉の麹箱、手狩りした稲藁を天日干しして編んだ「菰(こも)」という蓋を使用し、蔵の石室でゆっくりと育まれていきます。二時間毎に温度と湿度をこまめに気にしながら、生まれたての赤ちゃんのように、大切に、大切に。
羽場こうじ店の麹は、初代・佐々木喜助より代々受け継がれてきた造りで、麹を米の芯までハゼさせる(麹菌を入りこませる)という職人の高い技術が、自然な甘さを生み出します。長年、羽場のこうじを愛してくださる地元のお母さん方の言葉には『麹の花っこ咲いで、いい麹だ』という、この土地ならではの美しい表現を耳にします。
私たちは100年以上もの間、この土地の暮らしとともに、北国秋田の食文化の基本である「米麹(こめこうじ)」をふんだんに使い、麹・味噌を造り続けてきました。これまでも、これからも……、私たちは麹とともに、この土地ならではの“いつもの”暮らしをつないでいきます。